2012年5月23日 (水)

自由心証主義

Kakuritsu4
犯行を目撃した第三者がいるというような場合、人違いその他の可能性を割り引いても、8割がた真犯人に間違いないといえるだろう。これに加えてもうひとつ、やはり8割がた真犯人に間違いないといえるような有力な証拠(例えば指紋)が出たら、真犯人である確率は
80%+(100%-80%)×80%=96%
証拠が3つそろったら、確率はさらに上がって
96%+(100%-96%)×80%=99.2%

一方、動機があるとか犯行現場付近で目撃されたというような証拠の場合、真犯人である確率はせいぜい20%であろう。このような証明力の低い証拠も数多く集めれば真犯人である確率は次第に高くなるが、計算してみると20個集めても99%に届かない。

現実の裁判では、証明力の低い証拠の積み重ねによって有罪を認定することもよく行なわれているようだ。しかし、20個以上も独立した(重ならない)証拠をそろえることは、ほぼ不可能だろう。つまり、真犯人である確率は99%よりはるかに低いにも関わらず、有罪にされている被告人がたくさんいるということになる。言い換えれば、そのような立証で有罪にされた人の100人に1人以上はえん罪ということだ。

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2012年5月13日 (日)

ダイバージョン

日本の刑事司法は、あらゆる嫌疑を法廷に持ち込むシステムにはなっていない。たとえ警察沙汰になっても多くは検察庁に送られずに済み、検察庁に送られても多くは裁判所に送られずに済む。つまり、悪質でないものは、程度に応じて早期に刑事司法から解放されるシステムになっている。
http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/58/nfm/images/full/h2-1-01.jpg

検察審査会も本来はこのシステムの中で、検察庁に代わって起訴すべきか否かを判定する組織だった。ところが現実には小沢ケースのように、わずかでも嫌疑があるから、国民の関心が高いから、公開の法廷ではっきりさせようという風に使われることがある。

このような使われ方を立法者は予定していない。予定していればそれに対する手当て、例えば必要のない起訴に対して裁判所が早期に門前払いできる制度を用意しただろうが、それは用意されていない。

だから小沢ケースのように、今までなら不起訴で済んだものが三審制で最高裁まで争われ、何年も刑事被告人のまま有罪の危険にさらされるということが起きている。これは立法の失敗だと思う。

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経営者

経営者といえば、かつては銀行から借りたお金をどうやって返すかに頭を痛めているイメージがあった。しかし今は、どうすれば政府・自治体から補助金をもらえるかばかり考えているように見える。

端的にいって、これは資本主義から社会主義に転換したということだと思う。国にお金がなくなるのは当然だ。消費税を上げる前にやることがある。それは健全な資本主義の復活ではないだろうか。

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2012年3月29日 (木)

濃度の問題ではない

他県に持ち込まれようとしているガレキについて、濃度が基準以下だから問題ないというような言われ方がされているが、ほとんど意味がないように思う。濃度、すなわち1キログラムあたりの放射性物質の量がわずかでも、それを何トンも持ち込むなら、放射性物質の総量は何万ベクレルにもなるからだ。

児玉龍彦教授ではないが、濃度ではなく総量で考えるべき問題だと思う。

(逆にもし濃度で考えるとすれば、どんなに濃度の高い廃棄物が出ようとも、他の安全な廃棄物と混ぜてしまえば濃度は下がるから、どこにでも捨てられることになってしまうだろう。現に東京都ではこの方法で焼却灰を処分した疑いがある。このような脱法行為が許されるなら、濃度の規制には何の意味もないことになるだろう。)

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放射性廃棄物の最終処分

六ヶ所村には放射性廃棄物を長期間貯蔵管理できる施設があるという。しかし、福島第一原発事故で出た放射性廃棄物までそこに受け入れさせるのは青森県に酷というものだろう。福島第一原発事故で出た放射性廃棄物の貯蔵施設は福島県に作るしかあるまい。

今のところ福島県はこの案に抵抗しているが、少なくとも福島県内で出た放射性廃棄物を他県が引き受けてくれないであろうことは福島県もわかっているはずであり、場所を現在の福島第一原発付近とすることで、最終的には福島県も受け入れてくれるだろう。(福島第一原発付近の市町村は最後まで抵抗するかもしれないが、小さな市町村なので最終的には沖縄の米軍基地と同じように強制的な手段で押しつけても、国民の関心は薄いであろう。)

政府の考え方は以上のようなものではないだろうか。もしそうだとすれば、福島県以外の都道府県で出た放射性廃棄物はどうなるか。「自分のゴミは自分の県で」が原則だとすれば、たとえ福島県に貯蔵施設ができても、福島県以外の放射性廃棄物を持ち込むことはできない。例えば東京都で出た放射性廃棄物は東京都の責任で長期間保管しなければならない。事実上それは不可能だから、ダダ漏れの既存の処分場に捨てて、緩やかに環境中に拡散させることになるが、それも政府の方針のうちということなのだろう。

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